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雑記帳

【ネタバレ】必要のない鍵って、あると思いますか? Inclusion〜インクルージョン〜 感想

burstonから発売されたアダルトゲーム、「Inclusion〜インクルージョン〜」をプレイした感想と簡易メモみたいな記事です。ネタバレしていますので、ご注意ください~

 

こちらの作品は、dlsiteとFANZAで8月16日まで500円で購入できますので、気になった方はチェックしてみてください。FANZAのほうがセール時間終了まで3時間長いよ!

 

 

 

 

 

「Inclusion〜インクルージョン〜」

 

老朽化のため、取り壊しが決まりながらもいまだ着工されずにいる鳴島団地3号棟。
物語の舞台はそんな最近みかけるようになった、日常の風景から始まる。

愛犬ガッツとの散歩の途中で出会ってしまった「千紗」。
組織に追われ、たどり着いてしまった「龍哉」。
見てはいけないものを見てしまった「遥」。
大切な欠片を探し続ける「史佳」。
真実を手に入れたかった「喬」。
真実を知りたくはなかった「奈依」。
出会いたかった「裕紀」。
信じ続けた「佐里」。

絡み合い交錯しあう人々の想い。真実の糸。新生ブランド「ブーストオン」が贈るマルチサイトノベル (dlsiteより引用)

 

 

あらすじはこんな感じです。

 

・まず初めに3つのシナリオが解放されており、それを全部読んだら別のシナリオが3つ解放される……というような形式になっています。「街 〜運命の交差点〜」とか「428 〜封鎖された渋谷で〜」と似たような感じです。

・ボイスは無く、BGMと効果音のみです。

・1シナリオ大体30分前後で読み終わりました。一番早くて20分くらいかな?読むのが早い方ならもっと短く済むかもしれません。

・千紗、龍哉、遥、喬、奈依の5人のシナリオは本編を読み終わった直後にエピローグが解放されます。エピローグは大体2分くらいで読み終わります。

・史佳のシナリオを読了後、エピローグの代わりに佐里シナリオが解放→佐里シナリオ読了後 裕紀シナリオ解放→最終シナリオ解放……という流れです。最終シナリオは10分くらいで読み終わりました。

 

個人的には、クリア後に全シナリオを読み返せないのがちょっとな……と思ってしまいました。伏線の確認とかしたかったかな。スキップも遅めなので、気になるシーンがある方は、セーブしておいたほうがいいと思います。アダルトシーンは読み返せるようなので、その部分のセーブは大丈夫ですよ~

私はあらすじとたかみち先生のイラストに惹かれて今作を購入しました。欲を言えばもう少したかみち先生のスチルを見たかったのですが、ゲーム自体が短めなのでこれぐらいの枚数が妥当……なのかな?

 

 

私がプレイした順番は、龍哉→遥→千紗→奈依→喬→史佳→佐里→裕紀→最終です。

各シナリオのちょっとした感想はこんな感じ。

 

「永津龍哉シナリオ」

ヤクザ、跡目争い、呪いの指輪と錠剤、霊能者などこちらの興味を引くような要素がてんこ盛りでわくわくしました。龍哉シナリオのメインは組の後継者問題と、野心を持たずに生きてきた龍哉が守り抜きたい相手を見つけるまでの過程なので、このゲームの軸である女子高生連続殺人事件はあまり絡んできません。なので、シナリオ読了後に事件がさらっと解決していてちょっと驚きました。もしこのゲームが選択肢のあるものだったら、指輪を誰に渡すかのシーンで分岐したのかな~。出会い的に喬ともっと交流すると思っていました。

 

「澤田遥シナリオ」

私は彼女のルートが一番好きです。遥さん強い。遺書を書く為にホラー小説を購入するのがまず好きでしたね。表紙でそれとわかるようなものを購入したみたいですが、どんな本を購入したのか気になります。金田一シリーズの表紙のような、おどろおどろしいやつでしょうか。

龍哉シナリオと違って、ホラー的にも事件的にも結構怖めのシナリオだったなと思います。あと来宝とのシーンは結構ドキドキしました。

折角、協力を申し出たわりには来宝のその後に関わっていないオチなのがちょっと残念かも……来宝が自力で牡丹を見つけ出すことに意義がある、ということかな。ヒデキくんの正体は予想外でしたが、ラストの遥さんが元気を取り戻していたのでOKです。

 

「嘉納千紗シナリオ」

流れとしては龍哉シナリオの裏側を見てる感じかな。二人の行動を共にする時間が長いので、龍哉ルート+事件に関わる要素が少しというような形。

個人的には相当恨みを買ってそうな今枝麻衣子達によるいじめを千紗ちゃんが知らなかったことに違和感があったのですが、隣のクラスなら仕方ないのかな……

 

「望月奈依シナリオ」

被害者がクズだと事件の真相があまり気にならなくなる人間なので、このシナリオはちょっと困りました。今枝麻衣子の人物像が一貫しているところや、奈依自身も麻衣子のひととなりを把握した上で事件を追っているところはよかったと思うのですが、プレイ中に何度も「この子の死の真相ってそこまでして追うこと?」とも思ってしまいました……。遥シナリオに出てきたゴスロリの子、香城佐里の名前も判明し物語は徐々に真相に近づいてきました。もしかしたら、奈依の佐里に対する態度も乗り切れなかった理由のひとつかもしれません……

 

「司馬喬シナリオ」

まさか佐里とあんなことがあったとは……だから、奈依シナリオでああいう反応をしたんだなと腑に落ちました。祖父の抱えていたものと必要のない鍵の行方。最後の最後で来宝が出てきたのにちょっとびっくりしました。この時点で常石のおぞましさがあふれ出ていますが、まさかどんどんおぞましさアップしていくとはね。

喬と奈依でセットみたいなつくりになっているんですが、まさか外でするとは思っていませんでした。管理人室開けろ。

 

「来宝史佳シナリオ」

霊能力者の一族!複雑な血縁関係!当主代行!マモリ様!呪術!

心躍る要素が多くて楽しかったです。来宝一族メインでも1本書けたのでは?と思ってしまうほど。スピンオフお待ちしております。嫌味で腹黒な当主代行が気になります。史佳と顔は似ているって設定が美味しい。ラストのスチルに後ろ姿だけ写っていましたが、正面も見たかったな~

来宝のシナリオは今までの5人の総まとめって感じですね。各々の裏ではこうなっていたんだな~って感じです。牡丹を失った彼女の悲痛さが、伝わってくる話でした。

 

「香城佐里シナリオ」

会話シーンが少なめなこともあってか、一番早く読み終わりました。

いじめシーンが辛い。佐里は各シナリオで「あれではいじめられてもしょうがない」みたいな印象を持たれていることが描写されます。確かに彼女は言動も服装も人とはちょっと違いますし、社交性もないとは思います。でも、それはいじめてもいい理由にはならないはずです。各シナリオを読んでいてそこだけはどうにも引っかかってしまいました。確かに標的にされるだろうなってのはわかるんですけど、うーん……。

読み返していないので確証を持てないのですが、幼少期の佐里に408号室の騎士様のことを教えたのは常石……?幼い女の子たちを誘い出すために、常石が流した噂だったんですかね。それとも常石の死後に噂が流れだしたのかな。作中ではメジャーな噂じゃないと言うか、佐里しか触れていない噂なので、いつ頃誕生したものなのかとかよくわからないんですよね。

 

「西原裕紀シナリオ」

サ、サイコパスだ…………!?!?!?!?!?!?

佐里シナリオで血濡れの王子様(騎士様だけど)みたいに彼を描写しておいて、この落差。特に佐里と何かあったとかそういうわけではなく、完全にひとめぼれだったんですね。このシナリオで麻衣子が佐里を目の敵にする理由がふわっとわかるようになっていますが、だからって…うーん……という感じでした。

西原が殺人のみならず被害者たちを……していたのは正直驚きました。この描写あったっけ!?事情が事情なので報道規制がかけられていたのでしょうか。あと、西原くんは素手で犯行を行い、体液もそのままっぽかったので、その当たりで早めに捕まるのでは……?とちょっと思いました。バラバラにしていたから、そういう部位は発見が遅れたんですかね……。

事件の真相を知って、なんだかますます佐里が不憫に思えました。いじめられるし、大切なものは盗られるし、両親は不仲で放置されるし、幼少期に常石による被害にあった疑惑があるし、助けてくれた騎士様はサイコパスだし……全てを知ったうえで佐里と西原の寄り添うスチルを見ると、騎士と姫みたいな構図で描かれているのがほんと憎いな~~!!!出頭するまでの会話も併せて、なんか、ねえ。

佐里は西原が出所するまで待っていたわけですが、西原シナリオで描かれた真実と合わせると、正直よく待ってたなあ……って思いました。でも、彼女にはもう縋るものがなかったんですよね……。

 

「最終シナリオ」

牡丹視点で描かれる、彼女の死の真相。常石がほんとおぞましい……母親とご近所さんの会話を聞いてしまい、常石のことを余計に言い出せなくなるシーンは心が痛くなりました。常石との会話などが描かれるのかなと思っていたのですが、そのあたりは控えめで、彼女の心情メインの話でしたね。最後に来宝と再会出来たシーンは、やっぱりグッと来ました。ふたりとも、良かったね……。

 

 

ノベルゲーやるのは久しぶりだったのでどうなることやらと思っていたのですが、面白かったです!さくさくっと進められて良かった~。

大体の真相は明かされたと思うのですが、

・喬の祖父が常石を庇い続けた理由

・408号室の騎士様の噂の出どころ

がちょっとわからないまま……かな?再プレイするときには、このあたりを念頭に置いて読み直したいですね。佐里の回想で出てきた「佐里ちゃんはパパとママのこと~」みたいなことを言っていたのが常石……?佐里に噂を教えたのも常石……?うーん。

 

調べたらどうやらドラマCDと小説版があるようです。ドラマCDのほうは現在聴く手段がないみたいなのですが、小説版はなんと電子書籍化されていました!しかも無料!!絶版後に無料で電子書籍化、新しい話も収録してくださったみたいです……めちゃくちゃありがたい……オタクに優しい。

KindlekoboBOOK☆WALKERにてダウンロード可能とのこと。とりあえずKindle版を貼っておきます。私もこれから読みます~