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雑記帳

【ネタバレ】めでたしめでたしのその先は? 哀愁しんでれら 感想

先日、アマプラで「女子高生に殺されたい」を見ました。

原作は途中まで読んでる状態で、映画化発表のときも「え~実写化するんだ……東山が田中圭さんなのは意外だな~どうなるんだろ」なんて思っていたのですが、これが意外と良かった……!原作通りか?と聞かれたらちょっと違うかなと思いますが映画版としては程よい感じにまとまっていたのではないかと思います。

で、もっとやばい田中圭を見たい!!と思った私は関連で出てきた「哀愁しんでれら」も視聴したのでした~

 

 

「哀愁しんでれら」

youtu.be

 

あらすじ

足のサイズしか知らない王子様と結婚したシンデレラは
本当に幸せになったのでしょうか?

児童相談所で働く⼩春は、⾃転⾞屋を営む実家で⽗と妹と祖⽗と4 ⼈暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な毎⽇を送っていました。
しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ⼀晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8 歳の娘・ヒカリを男⼿ひとつで育てる開業医の⼤悟。優しく、裕福な⼤悟は、まさに王⼦様。「ただ幸せになりたい」と願う小春は、出会って間もない彼のプロポーズを受け⼊れ、不幸のどん底から⼀気に幸せの頂点へ駆け上がりました。
シンデレラの物語ならここで“めでたしめでたし”。
しかし小春の物語はそこでは終わりませんでした…(公式サイトより引用)

 

まず序盤から、土屋太鳳さん演じる小春に怒涛の不幸が襲い掛かります。ここがまあ~テンポが良くて、ピタゴラスイッチ方式みたいな感じでガンガン落ちていくでいっそ爽快感すらあります。ただ、転落人生ものをいくつか見てきた身としては不幸度がちょっと低いか……?とか思ったりもしました。でも、ここはほんとに序章にすぎないというか、結婚してからが物語スタートなので……!その後の展開を考えてると、むしろこれぐらいの不幸度が妥当なのかも。

 

不幸の連続に襲われたお姫様は死にかけていた王子様を助けます。今思うとこのシーンは人魚姫要素でもあったのかな。人魚姫は他のお姫様に立場を譲ることになりますが、小春は大悟にきちんと見初められました。難しい子だという大悟の娘 ヒカリともすぐに打ち解け、周りに祝福されながら夢のような結婚生活へ…………

 

とはならなかったんだよな~~~~~~~~…………

 

このまま幸せになれると思った?残念でした!と言わんばかりのイヤ~~~な雰囲気が小春を包んでいきます。大悟もヒカリもなんか……あれ?あーっ???あ、そういう……あ~~~~もうばか~~~~~!!!!みたいなことを終始、妹と言い合ってた気がします。色々おぞましいよ。

でも、序盤から示されてるんですが小春も小春でなんかあれだな……って描写がちらほら挟まるので、ぎりぎりまで誰の心情も信用しきれないというか、誰もかれもがぐらぐら危うくて怪しい状態を最後の最後まで続けてくれたのである意味見やすかったです。小春が完全に被害者だったら最後まで見るのが辛かったかもしれない。

 

ヒカリの怒涛のサイコ!サイコ!サイコパス!!!!!描写の連続、うぎゃ~~~ってなりましたね。手段がえげつない。好きな男の子に対する感情も、恋愛感情というか……うーん。おそらく、実母もヒカリが上手いことやって追い出したんだろうなあ。

 

大悟母による過去話や、自室での様子、うさぎのはく製のエピソードなどを聞くと、大悟とヒカリはこの親にしてこの子ありって感じだなと思いました。母との不仲とか学校でうまく馴染めなかったことを考えると切なくなるのですが……。

 

ヒカリに疑惑の目を向ける小春がおにぎりにマグネットを仕込む描写とか、おや……?って感じで良かったですね。こことか、ヒカリに手をあげてしまった後に大悟に怒られつつも肉を焼くシーンとか好きです。

 

序盤でさ~~~小春のお父さんがインスリンの話するから「あっ…………これ絶対……」とは思ってたんですけど!まさかあんなダイナミックな使い方されると思わないじゃん!!!でも、あのあり得ないだろ!!!って感じが童話っぽい終わりで良かった…のかな?と書いている今では思います。この映画はシンデレラ以外にも様々な童話要素がちりばめられていますが、このラストも童話のパロディだったのかな…眠れる森の美女かと思ったのですが、どうでしょう。紡ぎ車の針=注射針とか、子供たちの眠っているような遺体=お城の人たちが眠った姿みたいな感じで。

 

私が気づけたおとぎ話要素はシンデレラ、不思議の国のアリス(大悟のうさぎ)、赤い靴(お葬式のシーンでのヒカリ)くらいだったのですが、色々な方の感想を読んだら青髭幸福の王子を挙げている方もいらっしゃって、なるほど~ってなりました。もしかしたら探せば他の童話要素もあるのかもしれませんね。

 

……と、ここまで書いたところでパンフのネタバレ込みの感想を書いている方を何にか見つけたのですが…………ヒカリやってないんかい……………!!!!!!!!うわ~~~完全に監督の掌の上じゃないですか私……!!客観視していたつもりが知らず知らずの内に小春に同調しちゃってたんだなあ……「帰ってきたヒトラー」とかもそうですが、観客面して高みの見物してたつもりがいつの間にか舞台上に引っ張りあげられていたことに気づく瞬間には独特の気持ちよさがありますね。こういうのが好きで映画見てるところある。

 

多くの人にころころ転がされてほしいので、もっとたくさんの人にこの映画を見て感想語ってほしいなあと思います。アマプラにあるから見やすいよ!

 

これ系の映画もうちょっと探そうかなあ。